Microsoftによる日本への生成AI事業投資(2024年5月)
今年4月上旬アメリカのIT大手、Microsoftは日本において生成AI絡みの4400億円に上る投資を発表しました。報道でご覧になった方も多いと思います。
ここではNHKの配信記事から更に詳細を引用すると次のようになります。「会社によると日本への投資は最大規模で、生成AIに不可欠なデータセンターの
情報処理能力を高めるために東京と大阪の設備を増強し、最先端の「GPU」と呼ばれるAI向け半導体を導入します。」ということになります。
即ち日本Microsoftでは既に国内2カ所の生成AIがらみのデータセンターを運用していることになります。データセンターには大規模な敷地と多くの装置からの
発熱に対応するため大規模受電設備と非常用電源設備も必要とされます。
ではなぜ生成AI技術にとってデータセンター処理能力とGPUが重要な要素技術になるのかと言えばChatGPTに代表される生成AIはデータセンターに
保存されている過去の人類のさまざまな知識情報を検索して答えを導く仕組みになっているためです。そして検索にかかわるコンピューターの処理能力は
GPUと呼ばれる検索と生成に特化した半導体を用いて実現しているからです。
マイクロソフトでは日本での生成AI事業のためこれらの要素技術の増強投資を計画しています。
このWhat‘s Newコーナーでは過去にデータセンターについてとりあげていますので(2019年8月記事参照)、今回はもう一つの主要技術のGPUについて
少しわかり易く解説します。
GPU(Graphics Processing Unit:グラフィック処理装置)は、コンピュータで画像やビデオの処理、3Dグラフィックスの描画、科学技術計算などを
高速に実行するための専用のプロセッサです。CPU(Central Processing Unit)とは異なり、GPUは大規模な並列処理を行うことができ、
特に画像処理や3Dグラフィックスなどのデータ密度の高いタスクに特化しています。
近年では、機械学習やディープラーニング(これらは機械に学習させることを指す言葉です)などの分野でも広く利用されており、
高速な行列演算や並列処理を活用して計算を効率化します。
By Kentsan & ごま